こんにちは、イラレ常人です。
今回は、デザインに関する心理学のお話をします。
これからお話しする内容は良いようにも悪いようにも使えますが、あくまで人の心を動かす手法に過ぎないので、どう使うかはあなた次第です。
クレショフ効果とは?
まず、クレショフ効果の概要からお話しします。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/16a9b75e97dafad4204c56a05d93e2d6-1024x576.jpg)
あなたが上の男女の画像を見たとき、左の男性はどんな表情をしているように見えますか?
ポクポクポク、チーン
答えは出たでしょうか?
正解はありませんが、回答例として「右の女性に好意を持っている」とか「右の女性を大切に思っている」などといったものが挙げられるかと思います。
男性がマイナスな印象を与えることは、ないのではないでしょうか。
では、下図の組み合わせはどうでしょうか?
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/c30dfb9ddf78010f5344a7bef7507e42-1024x576.jpg)
回答例として「交通事故の苦い経験がある」とか「交通事故を起こさないか心配している」などが挙げられます。
少なくとも、1つ目の女性との組み合わせよりは、マイナスな印象があるかと思います。
最後は、下図の組み合わせです。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/e4934a4e4108fd7e84f11e0a4734cfc8-1024x576.jpg)
回答例は「ディナーを楽しみにしている」「美味しいものを食べたい」あたりでしょうか。
男性が、楽しい印象を与えなくもないです。
このように画像の組み合わせが変わると、男性の考えていることも変わって見えることがあります。
ですが、事実として2枚の画像は、ただ並んでいるだけです。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/7e1c7384e46f6919805f2cfd5aac00a0-1024x576.jpg)
これが「クレショフ効果」というもので、「何の脈絡もない映像や画像の羅列に対して、それらの繋がりを無意識に関連付けて解釈してしまう心理的な偏り」を表す現象です。
この「心理的な偏り」は「認知バイアス(偏り)」ともいわれます。
因みに、認知バイアスには「常識・固定観念」なども含まれます。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/a88a35ac6d0cfed887711bacaeeba5b5-1024x576.jpg)
クレショフ効果の提唱者は、ソビエト連邦の映画監督である、レフ・クレショフです。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/f3fef6ff8ea8d0ad8bdcb3875e30873f-1024x576.jpg)
でも、さっきまでの画像の説明だと何となく、こじつけ感があるなぁ…
と思う方もいると思う(私はそっち派です笑)ので、概要はこれくらいにして、さっそく実例を見ていきましょう。
広告の例
現実では、概要でお見せしたような露骨な見せ方では、クレショフ効果は見られません。
違和感なく画像を組み合わせて、ユーザーの心を動かすように仕組まれています。
スーパーなどで見かけるペットフードにはこちらを見る犬や猫などの動物が写っていて、その近くに実際のペットフードが載っているパッケージが多いです。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/9539b51686187bfcb0db7a49f0d819a1-1024x576.jpg)
逆に、動物がペットフードを食べている画像を使っているものはあまり見かけません。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/343b8a7bcc6e8bf5c2a6c7a4ca5f30df-1024x576.jpg)
このパッケージをクレショフ効果の視点で考察してみると、「こちらを見ている動物がペットフードを欲しがっている」と消費者に捉えてもらうことが目的であると考えることができます。
確かに、自分の可愛がっているペットがこんなふうに欲しがっているのを想像すると、心も動くかもしれないですよね。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/599f4f0083ff7f4bc6abebb8b968e1da-1024x576.jpg)
映像の例
洗濯用洗剤のCMで、よく快晴の青空の元で洗濯物を干している映像が流れているのを見かけると思います。
そして、その前か後、または両方に商品の写真またはロゴなどが映って、CMが終わりますね。
でも冷静になって考えてみると、晴天の中、洗濯物をバッサーってやって、ニッコリと笑顔で干している人なんか、あまりいませんよね?
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/3369e1ea10203d4df644e85a9ed95a85-1024x576.jpg)
おそらく7、8割りの人が無表情で、何か別のことでも考えながら干していると思います。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/989cc8dcca365708dc921c3254c9ea75-1024x576.jpg)
このCMをクレショフ効果の視点で考察してみると、「この洗剤を使えば洗濯物は晴天の中、干したくなるように綺麗になりますよ」と消費者に捉えてもらうことが目的といえるでしょう。
恋愛の例
最後の実例として、ちょっとイレギュラーなものを持ってきました。
ですが、これからお話しする内容を聞いたら、すぐに納得していただけるかと思います。
クレショフ効果は「何の脈絡もない映像や画像の羅列に対して、それらの繋がりを無意識に関連付けて解釈してしまう心理的な偏りを表す現象」と最初にご説明しました。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/36332ed61a50971cc922b2a1d655d568-1024x576.jpg)
この説明文の一部である「何の脈絡もない映像や画像」という部分ですが、これを解釈をもう少し広げると「何の脈絡もないモノ」ということもできます。
映像や画像じゃなくても良いわけです。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/861f0542ae58dc7cc4719087611ea135-1024x576.jpg)
恋愛に限らず、人間関係は第一印象が大事です。
初めて会った人に対しては、無意識に身につけているモノなどで、人柄を判断してしまいます。
ここでクレショフ効果を活用するのです。
強面の人が輝く時計を身につけていたら、もしかするとそっち系の人かな?と思ってしまうかもしれません。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/ecb5bce0b91a1abba714b4b2c8b72cb3-1024x576.jpg)
一方で、ワックスでビシッと髪型を整えた人が同じく輝く時計を身につけていたら、高収入のエリートの人かな?と思ってしまうかもしれません。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/40def77b2154937b614a32c5a2545d8a-1024x576.jpg)
実際に、それらがただの勘違いだったとしても、初めて会った人には、そう見えてしまうものです。
![](https://irarecreate.com/wp-content/uploads/2022/09/fa2deda69da907fa71ec4a69cd2e763b-1024x576.jpg)
何が言いたいかというと、恋愛でも身につけるモノで相手の印象を操作することができます。
印象操作というと、ちょっと聞こえは悪いですけどね。
…身も蓋もない話をしてしまえば、恋愛の始まりは9割が勘ちg
今回の記事は、以上になります。
ユーザーにして欲しい行動があるときにクレショフ効果を試してみると、この効果に乗ってくれる方がいるかもしれませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント