【エンブレムロゴ】立体的でスタイリッシュなロゴをイラレで作ろう|イラレチュートリアル

チュートリアル

こんにちは、イラレ常人です。

今回は、グラデーションを多用したメタリックな「エンブレムロゴ」を作っていきます。

それでは、さっそく本編にいきましょう。

下描きでレイアウトと構造を把握する

今回のロゴはモチーフがドラゴンで形が複雑ということもあり、いきなりイラレを立ち上げて、ペンツールで描いていくのは難しいです。

ということで、下描きを用意しておきました。

ここでは、「綺麗な下描きを描こう」というよりは、ロゴの「レイアウト」と「構造」を把握しておきます。

レイアウトというのは、その言葉通り「それぞれの部品をどういう配置にするか」です。
自分の手を動かして、収まりの良いレイアウトを、この段階である程度決めてしまいます。

構造というのは、「現実にそのロゴがあるとすれば、どういう部品が必要になってくるか」をイメージすると良いと思います。

今回のロゴは、グラデーションを多用して、立体的に仕上げていきます。
立体的にということは、凹凸があるということです。

エンブレムの土台やドラゴンのシルエットを1本線で描くと、どうしても2次元的になってしまうので、凹凸部分も下描きの段階で描いておきます。

このように、レイアウトと構造を先に把握しておくと、実際の制作段階で手詰まりすることは断然、少なくなります

因みに、ドラゴンの角の部分をエンブレムからはみ出させたのは、ドラゴンのインパクトを殺さないためです。

下描きをトレースする

では、ロゴの下描きを確認したところで、イラレの作業に入ります。

まず、スマホのカメラやスキャナーで、下描きをパソコンに取り込みます。

そうしたら、イラレを立ち上げて、下図の手順で「配置」へと進み、

下描きを探して、アートボードに配置します。

これを見ながら、ロゴをトレースしていきます。

アートボードのサイズは「W210mm×H210mm」です。

あまりにハッキリ映っているとトレースしずらいので、不透明度は「30%」程度にします。

さらに、ctrl(⌘) + [ 2 ]でロックして、触られないようにしておきます。

トレースはペンツールで行います。

このツールの扱い方については、専用の記事があります↓

エンブレムの土台の部分は左右対称なので、片方だけ描いて反転コピーすれば、OKです。

描き終わったら、下図の矢印で示した2つのアンカーポイントが縦のラインで揃うようにします。

ctrl(⌘) + [ u ]でスマートガイドを有効にした状態で、

ダイレクト選択ツールに切り換え、アンカーの位置を調整すると確実です。

そうしたら、選択ツールでこれを選択した状態で、

リフレクト(反転)ツールに切り換えます。

そして、下図の矢印で示したアンカーのいずれかを、alt(option)を押しながら左クリックします。

すると、今、クリックしたところが反転の軸になるので、字幕(下図参照)のように設定して、コピーを押します。

この2本の線はつなげたいので、ダイレクト選択ツールに切り換え、

マーキング部分(下図参照)のアンカーをまとめて選択し、

ctrl(⌘) + [ j ]で結合させます。

下図マーキング部分も同様です。

次に、ドラゴンのシルエットを描いていきます。

これもひたすらトレースするだけですが、エンブレムの土台に綺麗に収まるように意識して、適宜、形の調整も行います。

それが終わったら、今までロックしていた下描きを、shift + ctrl(⌘) + [ 2 ]でロック解除して、削除します。

トレースした線にオフセットを加える

ここまできたら、土台とドラゴンのシルエットにオフセットを加えます。
オフセットとは「ある位置から移動させた位置にセットしなおす」という意味です。

まず、土台の部分ですが、これを選択ツールで選択した状態で、

下図の手順で「パスのオフセット」へと進んでいきます。

すると、下図のようなウィンドウが開くので、プレビューにチェックを入れ、字幕のように、マイナスの数値を入力します。

この数値は、制作するロゴの形や大きさによって異なってくるので、あくまで参考です。

土台は土台らしく、ドッシリとした感じの方が良いと思うので、オフセットも厚めにしておきます。

そうしたら、ドラゴンのシルエットも同じようにオフセットを加えます。

こちらは、土台よりは浅めにします。

下図マーキング部分のように、角度がキツくて尖ったオフセットにならない場合は、自分の手で修正を加える必要があります。

加工が終わったら、ダイレクト選択ツールに切り換え、

下図(1,2枚目)のようにオフセットを尖らせます。

不要になったアンカーポイントは、アンカーポイント削除ツールで消しておきます。

これで、オフセット加工は完了です。

トレース線とオフセットの間に区切り線を加える

次は、これを細かい部品に分割するための区切り線を加えます。

土台とドラゴンのシルエットは、それぞれを編集しやすいように、今は離しておきます。

そうしたら、直線ツールに切り換え、

下図のように、尖っている部分に線を描いていきます。

スマートガイドを参考に、隙間なく区切るようにします。

スマートガイド:ctrl(⌘) + [ u ]

ドラゴンのシルエットも同様です。

これで、トレースは完了です。

トレースした線は、このあとも繰り返し使う可能性があるので、コピーしてバックアップを取っておきます。

細かい部品を作って色を設定する

細かい部品を作る

では、細かい部品を作っていきます。

バックアップを除く、全ての線を選択した状態で、

ライブペイントツールに切り換え、

塗りを「黒」、線を「なし」にします。

そして、線で囲まれたところを下図(1〜3枚目)のように左クリックして、塗りつぶしていきます。

それが終わったら「拡張」というところを押し、塗りつぶしたそれぞれの部品を自由に編集できるようにします。

拡張直後、これらのオブジェクトはグループ化されているので、選択ツールで選択した状態で、

まずは1回、shift + ctrl(⌘) + [ g ]で、塗りと線のグループ化を解除します。

そして、線の方はいらないので削除し、

残った塗りの方を選択した状態で、もう一度、shift + ctrl(⌘) + [ g ]で、今度は塗りのグループ化を解除します。

画像のように、実際に部品を動かす必要はありません。

色を設定する

これで、細かい部品はできたので、色を設定していきます。

今回のロゴは、グラデーションしか使っていません。

イチから設定するのは大変なので、フリー素材サイトの力をお借りします。

Vector Clubというサイトがあるので、そこから金属グラデーションのセット素材をダウンロードします。

ダウンロードした素材のスウォッチパネルを開くと、下図のようにたくさんの金属グラデーションが用意されています。

その中から自分の好みのものを、下図の四角形の塗りや線に設定して、

制作中のドキュメントに、コピー&ペーストします。

そして、❶そのグラデーションを適用させたいオブジェクトを選択した状態で、❷スポイトツールに切り換え、❸グラデーションを左クリックします。

他の部品も同じように、グラデーションを適用させます。

そうしたら、次はグラデーションの角度と見え方を調整します。
グラデーションは、角度と表示させる範囲を自由に変えることができます。

下図の赤いグラデーションで実際にお見せします。

選択ツールでこれを選択した状態で、

グラデーションツールに切り換えます。

 すると、選択したオブジェクトの上に、グラデーションガイドが出てきます。

今は、横方向に下図のマーキング部分の範囲で、グラデーションがかかっていることがわかりますね。

そして、この状態でドラッグすると、角度と範囲を同時に変えることができます。

このとき、shiftを押しながらドラッグすると、45度ずつ角度を変えることができます。

左クリックを離せば、変更は完了します。

ポイントとして、広い面積のグラデーションは、色の変化が激しいと安っぽい印象を与えてしまうことが多いので、そう感じさせない範囲を選んで表示させると良いです。

それを踏まえて、他の広い面積のグラデーションも調整してきます。

逆に、狭い面積のグラデーション、特に金属のような質感のものは、色の変化を激しくさせた方が、効果的なことがあります

綺麗に輝く光沢部分を意識して、明暗差をつけると良いですね。

土台に部品を追加する

ここまできたら、土台の盛り上がっているところに平らな部分を付け加えます。
この部分(下図参照)ですね。

先ほど、バックアップとしてコピーしておいたトレース線を使います。

土台の内側の線を選択した状態で、

ctrl(⌘) + [ c ]でコピー、

さらに、ctrl(⌘) + [ v ]でペーストします。

さらに、今、ペーストした線を右クリックし、重ね順を「最前面」にしておきます。

そして、下図のように土台の部分に重ね、線幅を調整します。

そうしたら、下図の手順で、この線をアウトライン化し、

塗りもグラデーションに変えます。
このグラデーションは、銀色のグラデーションと同じ種類です。

ロゴ全体に光沢を加える

最後に、アクセントとしての光沢を加えれば、エンブレムロゴの完成です。

まず、楕円形ツールに切り換え、

下図のように楕円を作ります。

塗りは「なし」で、線は見やすいように「黒」にしておきます。

そうしたら、選択ツールで、この楕円と先ほど作った平らな部分を選択します。

そして、shiftとalt(option)を押したまま、

横方向にドラッグし、適当なところで左クリックを離してから、

shiftとalt(option)を離します。

さらに、そのままの状態で、shift + [ m ]でシェイプ形成ツールに切り換え、

下図のように、パスで囲まれたところをドラッグして、オブジェクトを作ります。

下の方はいらないので、削除します。

そうしたら、今、作ったオブジェクトをshiftを押しながら、再度、横方向にドラッグして、

土台に重ね合わせます。

そして、このオブジェクトの塗りにもグラデーションを適用します。

グラデーションの詳細は字幕(下図参照)の通りです。
両端とも「白」に設定していますが、片方は不透明度を「0%」にしています。

これも例によって、選択ツールで選択した状態で、

グラデーションツールに切り換え、角度と見え方を調整します。

さらに透明パネルを開き、描画モードを「オーバーレイ」に設定します。

これで、パキッとした見た目になりましたね。

仕上げに、赤いグラデーションを選択した状態でアピアランスパネルを開き、「fx」から「スタイライズ」「光彩(内側)」へと進み、

字幕(下図参照)のように設定して、OKを押します。

そして、土台とドラゴンのシルエットを重ね合わせれば、エンブレムロゴの完成です。

因みに、それぞれの部分の重ね順ですが、土台が一番下で、ドラゴンのシルエットが真ん中、アクセントの光沢が一番上です。

重ね順の変更は、字幕(下図参照)のショートカットで、できます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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